どうも、 効率化大好き カズ です。
今回は、AutoCAD でバルーン(風船記号)を作成する方法を紹介します。
引出線に丸数字という「バルーン風の引出線」を使っていた方は、ぜひ参考にしてください。
以下のようなバルーン(風船記号)が挿入できるようになります。
この記事では、バルーンを作成する手順をはじめ、バルーンの細かな設定方法も解説していますので、これからバルーンを使いこなしたい方はぜひ参考にしてください。
以下の環境で解説します↓
使用ソフト | AutoCAD 2023 |
レイアウト | A3サイズ |
ワークスペース | 3Dモデリング |
解説に使用するのは「AutoCAD 2023」で、ペーパーレイアウトはA3サイズを使用します。
その他の用紙サイズを使用する場合は、「バルーンのサイズを変更する」を参考にしてください。
バルーンを作成する手順
バルーン(風船記号)を使うには「マルチ引出線スタイル管理」で各設定変更をする必要があります。
それぞれの設定について詳しく解説していきます。
1.マルチ引出線スタイルを開きます。
コマンドラインに直接「MLEADERSTYLE」と入力。または、注釈タブを開き、引出線の[➘]をクリックします。
2.「マルチ引出線スタイル管理」が開くので[新規作成]をクリック。
3.新しいスタイル名を入力し[続ける]をクリック。
ここではわかりやすいように「バルーン」という名前にしました。
4.「マルチ引出線スタイルを修正」が開くので、以下の項目をすべて変更します。
タブ | 項目 | 変更後 |
---|---|---|
内容 | マルチ引出線の種類 | ブロック |
使用するブロック | 円 | |
アタッチ | 挿入位置 | |
引出線の構造 | 参照線を自動的に含める | チェックを外す |
これで以下のようなバルーンが使えるようになりました。
ただしこれは「デフォルト設定」のままなので、「なんか気に入らないなぁ…」という方もいるかと思います(私は気に入らないので設定を変更しています)。
- フォントの種類
- 矢印の種類
- 矢印の大きさ
- バルーン(円の部分)の大きさ
これらを変更することで、お気に入りのバルーンが作成できます。
バルーンの設定を変更する
ここからは、バルーンの細かな設定を変更する手順を解説していきます。
具体的には以下の3つです。
- フォントの種類を変更する
- 矢印の種類と大きさを変更する
- バルーンの大きさを変更する
フォントの種類を変更する
バルーンの中に表示するフォントの変更は「文字スタイル管理」で行います。
フォントの種類と言っても数百種類あるので、ここでは私がおすすめするフォント「simplex.shx」に変更する手順を解説します。
なぜ「simplex.shx」がいいのか、ということも語りたいんですが、ここでは割愛させていただきます。
1.コマンドラインに直接「STYLE」と入力。または「注釈」タブ > 文字の[➘]をクリック。
2.以下の項目を変更します。
- スタイルが「Standard」であることを確認する
※「Standard」以外が選択されている場合は「Standard」に変更する - SHX フォント を「simplex.shx」に変更する
- 「ビッグフォントを使用」にチェックを入れる
※ここにチェックを入れることでビッグフォントを変更可能になります。 - ビッグフォントを「bigfont.shx」に変更する
- 幅係数を「0.9000」に変更する
※ 1.0 よりも 0.9 のほうがシャープに見えるからです。 - 最後に[適用]を押して保存する
これで、デフォルトの「Arial」から「simplex.shx」に変更されました。
矢印の種類と大きさを変更する
次に、矢印の種類と大きさを変更します。
矢印の種類は 6種類あるんですが、その中でも「30度開矢印」がおすすめ。印刷したときに矢印として認識しやすいからです。
- 矢印の種類:
・塗り潰し矢印 → 30度開矢印 - 矢印のサイズ:
・4 → 2
これらの変更を行います。
1.「マルチ引出線スタイル管理」を開き、バルーンを選択した状態で[修正]をクリック。
2.記号を「→30度開矢印」、サイズを「2」に変更し[OK]をクリック。
これで、矢印の種類とサイズが変更されてスッキリしました。
バルーンの大きさを変更する
バルーンの円の部分の大きさを変更します。
ペーパーサイズをA3にしているのであれば、ほぼ変更する必要はありません。
しかし、A1やA4サイズを使用する場合、もしくはバルーンの大きさを少し変えたい場合などは、以下の方法でサイズ調整してください。
- 矢印を含めた全体のサイズを変更する方法
- バルーン(円)のみ変更する方法
それぞれ手順を解説します。
矢印を含めた全体のサイズを変更する
矢印を含めた全体のサイズを変更するには[尺度を指定]の数値を変更します。
- 選択したバルーンのみサイズ変更する場合
- まとめてバルーンのサイズを変更する場合
とで方法は異なります。
選択したバルーンのみサイズ変更する場合
選択したバルーンのみサイズ変更するには「プロパティ管理」で尺度を変更します。
プロパティ管理を表示させていない場合は、以下の手順で表示できます。
サイズ変更したいバルーンを選択し、プロパティの「その他」の「全体の尺度」を変更します。
2倍の大きさにするのであれば「2」、半分の大きさにしたいのであれば「0.5」という感じで数字を変更すれば、矢印を含むバルーン全体の大きさを変更できます。
まとめてバルーンのサイズを変更する場合
挿入したバルーンをまとめてサイズ変更する場合は、マルチ引出線スタイル管理で尺度変更します。
「マルチ引出線スタイル管理」を開き、「引出線の構造」タブにある[尺度を指定」の数値を変更します。
これで挿入したバルーンすべてのサイズが変更されます。
サイズ変更されないバルーンがある場合
尺度を変更したにもかかわらず、なぜかサイズが変更されないときもあります。
はっきりした原因がわからないので根本的な解決策を提示することはできませんが、これに対応する簡単な方法はあります。
1.[Ctrl+A]で図面内のオブジェクトすべて選択します。
2.プロパティのドロップダウンメニューの中にある[マルチ引出線]を選択。
すると、マルチ引出線のみ選択した状態になります。
3.「その他」の下にある「尺度を指定」が「*各種*」になっているはずなので、変更したい尺度の数値を入力します。
これでバルーン全部の大きさが変更されます。
バルーンの種類(形)を変更する
バルーンの種類(形)を変更することができます。
すべてのバルーンの形を変更する場合
マルチ引出線スタイル管理を開き、「内容」タブの「使用するブロック」の中から、好きな形を選べます。
詳細バルーン・スロット・円・四角形・六角形・三角形・ユーザー定義ブロック
個別に変更する場合
バルーンを個別に変更する場合は、変更したいバルーンを選択し、プロパティの「ソースブロック」で変更できます。
バルーンを挿入する
ここからは、図面にバルーンを挿入する手順を解説していきます。
マルチ引出線スタイル管理でバルーンを作成した後なら、そのまま引出線のコマンドを起動するだけでバルーンが挿入されます。
バルーンだけじゃなく、マルチ引出線の種類を使い分けたい場合は、スタイルの切り替えが必要です。
以下の手順で挿入してください。
1.注釈タブの「引出線」にあるドロップダウンメニューをクリック。
2.スタイル一覧が表示されるので、バルーンを選択します。
3.この状態で、リボンにある[マルチ引出線]をクリック。
または「MLD」と直接コマンドを入力します。
「MLD」と入力すると、「MLD(MLEADER)」が候補として表示されます。
矢印の位置を指定し、バルーンの円を配置する位置を指定、最後にタグ番号を入力します。
タグ番号は数字だけじゃなく「テキスト」でもOKです。
例:イ・ロ・ハ・A・B・C、aa・bb・cc……など
以上が、バルーンの作成方法でした。
さらに、バルーンをひとまとめにしたい場合は、以下の記事を参考にしてください。