どうも、 効率化大好き カズ です。
「3Dのモデル空間で寸法線を記入したら、とんでもないところに表示されてしまった……」
という問題を解決します。
狙った位置に寸法を記入するには、UCSを適切な面に配置することが重要です。
そこで今回は、直方体と円柱を例に、3Dモデルに寸法を記入する方法について解説していきます。
※以下の環境で手順を解説していきます。
使用ソフト | AutoCAD 2023 |
ワークスペース | 3Dモデリング |
3Dモデルに寸法を記入するには「UCS」の再配置が必要
3Dモデルに思い通り寸法線を記入するには「UCS」を再配置する必要があります。
UCS は、XY 作業平面、水平方向、垂直方向、回転軸、その他の有用なジオメトリ基準を確立する、移動可能なデカルト座標系です。
UCS[UCS 管理]|Autodesk より
「UCS」を簡単に言うと「座標の基準点」です。
UCS を適切な場所に配置できていなければ、まったく関係のない場所に寸法が記入されてしまいます。
なぜなら寸法線は「XY軸の平面上」に記入されるからです。
※UCS(ユーザー座標系)については以下の記事で詳しく解説しています。
ちなみに「作図グリッド」はONにしておくことをおすすめします。
「作図グリッド」を表示させておくことで、XY軸がどこなのかがわかりやすいからです。
キーボードの[F7]、もしくはアプリケーションステータスバーの[]をクリックすると、作図グリッドの ON・OFF が切り替えられます。
[作図グリッド]を表示すると、以下のように XY軸上の平面にグリッドが表示されているはずです。
グリッドのイメージ
これを「寸法線を記入したい面」に配置すれば、思った位置に寸法が記入できるようになります。
UCSを再配置して寸法を記入する
それでは「直方体」と「円柱」を例に寸法を記入していきます。
オブジェクトの形によって使用するUCSコマンドは異なるので、その説明も含めて解説していきます。
直方体の場合
直方体の面へのUCS再配置は[オブジェクト()]が一番簡単です。
UCS座標がオブジェクトの面に這うように動き、ワンクリックだけでUCSの再配置が完了するからです。
場所は、❶の[▼]をクリック>ドロップダウンメニューの中❷にあります。
底面の ❶ と ❷ は XY軸の平面上なので、そのまま寸法記入すればOKです。
次に ❸ と❹ は、A 面にUCSを再配置する必要があります。
UCS[オブジェクト()]を起動し、Aの面をクリック。
するとUCS座標が面に対してきれいに配置されます。
寸法記入を起動し、エッジ または 端点を2箇所選択して、寸法を任意の位置まで伸ばします。
❹と❺も同じ手順で寸法を記入してください。
円柱の場合
円柱に対してUCS配置するには、
[UCS管理()][Z軸ベクトル()][3点()]
この3つが有効です。
その中でも一番簡単なのは[Z軸ベクトル()]です。
なぜなら、他の2つはX軸とY軸を指定するのに対してZ軸ベクトルは「Z軸」を指定すればいいだけだからです。
「直交モード」を有効にすることでさらにUCS配置しやすくなります。
UCSを配置する
1)まずは、アプリケーションステータスバーにある[直交モード]をONにします。
直交モード ON/OFF は、キーボードの[F8]でも切り替え可能。
2)リボンの「UCS」>[Z軸ベクトル()]を選択。
3)円柱の頂点をクリックし、Z軸方向を指定します。
Z軸を手前方向にもってくることで、円柱の中心を軸にXY軸が再配置されます。
4)[長さ寸法()]を起動し、円柱の頂点と底面の四半円点をクリック。
あとはX軸方向に寸法線を伸ばせば完了です。
円柱の頂点や底面の四半円点が表示されない場合
オブジェクトスナップがOFFになっていないか確認してください。
または一時オブジェクトスナップ(shift+右クリック)を起動し、[端点]または[四半円点]を選択してください。