どうも、 効率化大好き カズ です。
UCSを再配置するのがむずかしい……
コマンドの種類もいろいろあって、どれを使えばいいのかわからん……
という方のために今回は、UCSの種類と再配置について詳しく解説していきます。
※以下の環境で手順を解説していきます。
使用ソフト | AutoCAD 2023 |
ワークスペース | 3Dモデリング |
UCSを配置するためのコマンドの種類
AutoCADの座標には「ワールド座標系」と「ユーザー座標系」の2つがあります。
ワールド座標系(WCS)とは、モデル空間の原点を示す座標のことで、位置を変えることはできません。
ユーザー座標系(以下「UCS」)は、ユーザーが自由に位置を変えることができます。
UCS は「User Coordinate System」の略で、XY 作業平面、水平方向、垂直方向、回転軸、その他の有用なジオメトリ基準を確立する、移動可能なデカルト座標系のことです。
UCSを再配置することで、3Dモデルに寸法線を記入したり、線やポリラインなどを思い通りに描けるようになります。
※3Dモデルに寸法を記入する方法は以下の記事を参考にしてください。
3Dオブジェクトの作成にはこの「UCSの再配置」が必要不可欠です。
AutoCADで使える「UCSを再配置するためのコマンド」は以下の6種類。
- [UCS 管理]
- [原点]
- [Z軸ベクトル]
- [3点]
- [オブジェクト]
- [面]
それぞれ使い方や特性が異なります。
UCSアイコンがどのような動きをするのか、アニメーションを使って解説していきます。
UCS 管理
[UCS 管理]は、「UCSの原点」+「X軸方向の点」+「Y軸方向の平面上にある点」を指定することで、UCSを再配置できるコマンドです。
「UCS」と直接コマンド入力することで起動するのがこの[UCS 管理]です。
[UCS 管理]のアイコンは以下の場所にあります。
UCSを配置する手順は3ステップ。
- UCS原点を指定
- X軸上の点を指定
- XY平面上の点を指定
原点
[原点]は、UCSの向きを変えず「原点だけを移動したい」ときに便利なコマンドです。
[原点]のアイコンは以下の場所にあります。
UCSを配置する手順は1ステップ。
- 新しい原点を指定する
Z軸ベクトル
[Z軸ベクトル]は、Z軸を指定するだけで座標の向きが指定できるコマンドです。
[Z軸ベクトル]コマンドは以下の場所にあります。
UCSを配置する手順は2ステップ。
- 原点を指定
- Z軸上での正の点を指定
UCSを移動させる前のXY軸に角度がついている場合は、その角度がそのまま反映されます。
3点
[3点]は、「UCSの原点」+「X軸上の点」+「Y軸方向の平面上にある点」を指定することで、UCSを再配置できるコマンドです。
[3点]コマンドは以下の場所にあります。
UCSを配置する手順は3ステップ。
- 新しい原点を指定
- X軸上での正の点を指定
- XY平面上のY座標上での正の点を指定
操作は基本的に[UCS 管理]と同じです。X軸とY軸を指定する必要がある場合は、どちらを使ってもいいと思います。
オブジェクト
[オブジェクト]は、オブジェクトの面に沿って自動でUCSの向きが変わるコマンドです。
[オブジェクト]コマンドは以下の場所にあります。
UCSを配置する手順は1ステップ。
- UCSを位置合わせするオブジェクトを選択する
オブジェクトの面に自動で合わせてくれるので、面を指定する際に非常に楽です。
面
[面]は、オブジェクトの面に自動で合わせてくれて、そこからオプションが指定できるコマンドです。
[面]コマンドは以下の場所にあります。
UCSを配置する手順は2ステップ
- ソリッド・サーフェス・メッシュの面を選択
- 受け入れ
オプションの説明
- [受け入れ]
:[受け入れ]で指定した位置に配置されます。 - [次]
:UCSアイコンを配置した位置の背面にある面に切り替えられます。 - [X 反転]
:X軸を基準に、Y軸とZ軸を反転します。 - [Y 反転]
:Y軸を基準に、X軸とZ軸を反転します。
[次]は意外と便利!
例えば、[ワイヤフレーム]や[X 線]のような「奥が透けて見える表示スタイル」にしているとします。
奥の面にUCSを配置したいんだけど、オブジェクトを回転するのはめんどくさい……という場合でも、オブジェクトを回転させずに奥の面にUCSを配置することが可能です。
[次]を押すことで、UCSを配置した位置の「手前の面」と「奥の面」を切り替えることができます。
マウス操作でUCSの位置と向きを変える
UCSは「マウス操作」でも位置を変更できます。
やり方は簡単です。
UCSアイコンをクリックすると、以下の画像のように「原点」「X軸の先端」「Y軸の先端」「Z軸の先端」がそれぞれ選択できる状態になります。
原点をクリックすれば、UCSを「移動」できます。
移動先が面の場合は、自動でXY軸を合わせてくれます。
端点や中点などに合わせたい場合は、原点を移動してから、XYZ軸をそれぞれ個別に選択し、向きを変更できます。
以上が3DモデルにUCSを配置する方法でした。